TOPスタッフ日記【都立中】世界史を攻める

2024年05月02日 木曜日 【都立中】世界史を攻める     ( スタッフ日記 )

今日は、大学受験世界史攻略シリーズの「インプット系」参考書についてご紹介たい。

すでに「岡田」と「茂木」をご紹介しているが、「岡田」は最難関大学受験生向けで、「茂木」は難関大学向けなので、今回は共通テスト向けをご紹介しておく。

・大学入学共通テスト 世界史Bの点数が面白いほどとれる本(KODOKAWA)

検定教科書は文章が固くて読みにくく史実だけが淡々と書かれているので初学者には理解しずらいが、この本はくだけた表現で史実を理解しやすく解説しているので読みやすい。学校授業を先取りして読み進めることが可能なので教科書に先行して学習を進めることもできる。

先行学習で全編1周、授業の予習で授業範囲を1周、定期テスト対策でテスト範囲を1周、模擬試験対策で出題範囲を1周、共通テスト直前に全編1周と、最低5周はしてほしい。周回を重ねるたびに高速にしていってかまわない。

いつものように脱線するが、入試で世界史を選択したなら、遅くても高校2年の冬には、通史を理解し終えておかないと、その後の対策で積み残しが多くなることは知っておいてほしい。

次に、基礎固めの用語や年代や地図や資料の「インプット用語系」をご紹介しておく。

・時代と流れで覚える 世界史B用語(文英堂)
・世界史用語 マルチ・トレーニング(旺文社)

どちらも人気があるが、「時代と流れ」はヨコ型(教科書配列)で、「マルチ」はタテ型(国別・地域別)という違いがある。

「時代と流れ」については、この教材で共通テストで8割取れるとか9割取れるとかと主張している教育系YOUTUBERが複数いるようだが、この教材だけで到達できるのは共通テスト6割程度である。

この分野では「山川の一問一答」(正確には「山川の用語集」)がベンチマークになるが、山川の見出し語が約5600用語(関連や派生を含めると約8000用語)であるのに対し、「時代と流れ」は数えてみたら約3360用語なので「山川」の約60%しかない。「山川」を完璧にすれば9割(センター試験なら満点)取れる可能性があるが、その60%しかカバーしていないため、これだけでは5割5分程度しか取れないと考えておくべきだろう。

「マルチ」はタテ型で、そのままでは解説系参考書と一緒には使いづらいため、補助教材が必要である。

・流れがわかる 各国別・地域別世界史Bの整理(山川出版社)

「時代と流れ」と「マルチ」のどちらに先に取り組むかだが、「面白い」と並行して進めるなら「時代と流れ」となろう。そして次に、「マルチ」を「各国別・地域別」と一緒に取り組むのがよい。

「時代と流れ」を攻略するためには、解かずに読み進める「読み」と赤シートを使って解く「確認」の2つのステップが必要で、「読み」を3周してから「確認」を7周し、合計10周すれば、いったん完ぺきに仕上がる。ただ、本試験まで記憶をキープしなければならないので、問題演習や模擬試験のスケジュールなどに合わせつつ、最終的には20周くらいすることになるだろう。

20周と聞くと驚くかもしれないが、「時代と流れ」は全85単元で、1単元は2ページしかない。右側の「流れ」は3分で読め、左の「時代と場所」は1〜2分で読めるので1単元を5分で周回できる。全85単元は425分で1周できるので、時間に直せば約7時間である。休日の午後だけで1周できる。

周回するごとに秒数を縮めていき、最終的には「確認」や「キープ」段階では、1単元を15〜20秒で終えられるまで短縮したい。1単元20秒なら、1分で3単元、10分で30単元、30分で90単元なので、30分以内で全範囲を1周できる。これは入試会場での試験開始直前での復習や確認に大いに威力を発揮する。

「マルチ」も基本は同じになる。「読み」3周、「確認」7周、「キープ」10周の20周である。

「面白い」と「時代と流れ」と「マルチ」をそろって完璧にした上で、共通テスト型の十分な演習を積めば、共通テスト世界史を80%で安定させることができる。

読みの段階では、「面白い」と「図説」の該当ページを開けておき、不明な箇所の確認がすぐできるようにしておくとよい。「時代と流れ」が3周するまでは、「面白い」や「図説」は過度に深堀りしなくてよい。確認までで十分である。深堀はアウトプット段階になってから行った方が理解が深まり効率がよい。難関私大を併願する予定の受験生は、深堀する際に「岡田」か山川の検定外教科書「詳説世界史研究」も併用すると尚よい。というより、ここまで完璧にしないと早稲田や慶應の世界史攻略は難しい。

「岡田」や「詳説」を完璧にし、難関私大個別試験型演習を十分に積めば、共通テストで90%、早稲田や慶應の個別試験で70%で安定させられる。共通テスト100%も夢ではなくなる。

ただ、難関国立大学の論述試験には特別な対策が追加で必要になるが、それは本題から外れるので、ここでは割愛する。

高校3年では、共通テスト型演習、二次試験・私大個別型演習、論述演習と続くことになるし、他の教科や科目の完成もしなければならないので、「10周×2シリーズ」は高校2年生の冬までに完了させておきたい。

共通テストや難関大学二次試験の問題を確認したら分かることだが、実は一問一答式の知識型問題はほぼ姿を消しつつあり、思考力型問題が中心になってきている。このため、インプット用語系はシンプルな「一問一答」を利用するよりも、「時代と流れ」や「マルチ」のような工夫のあるインプット教材がよい。

共通テストなど実際の入試ではインプット型学習で獲得した知識をどう思考力問題対応力につなげられるかで明暗が分かれる。この指導力で講師や教師の能力差がハッキリする。高校世界史教師の能力が疑わしい場合は日本史を選択した方が安全であり、予備校講師の能力が疑わしい場合は別の講師の講義を取るか別の予備校の講義を取った方がよい。さもなくば、参考書や問題集などを使って自力で思考力を高めていくしかない。

演習段階と直前段階でまた何度か「インプット解説系」にもどることになるが、その段階では「面白い」とともに「岡田」か「茂木」レベルの解説系が役に立つだろう。「論述」の演習問題にも取り組んでおくことで思考力問題対策の完成度も上がるが、世界史は共通テストだけの受験生もいるだろうから、ムリはしないで、全教科で得点を稼ぐことを考えて、世界史はどこまで取り組むかを判断した方がよい。

「岡田」か「茂木」があれば、「ナビゲータ」や「実況中継」は必要ない。「ナビゲータ」は4冊、「実況中継」は6冊のシリーズになるが、行間が空いていて中身が詰まっていないので、「岡田」の1冊と情報量はほとんど違いがない。「面白い」に取り組んだなら「面白い」+「岡田」で、共通テスト世界史の「インプット解説系」は十分である。共通テストだけなら「岡田」は全ページを攻略する必要はなく、理解が十分でない箇所や深堀したい部分だけでよい。

むしろ、教科書と一緒に学校で配布されるであろう「図説」にしっかり目を通しておいた方がよい。地図や写真や表は試験問題で頻出となる。「図説」は「タペストリー」が最強だと思うが、他の「図説」でもかまわない。

今日の日記はここまでにしておく。


<お知らせ1>
・「完全無料!受験よろず相談会!」を実施しています。

<おしらせ2>
・久々に「都立中チャレンジコース」の募集をしています。

<おしらせ3>
・小4「育成コース」(旧「基礎学力育成コース」)の募集をしています。

<おしらせ4>
・「資料請求」と「お問い合わせ」はご遠慮いただいております。


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