TOPスタッフ日記【都立中】入試英語をめぐる大きな誤解

2024年04月24日 水曜日 【都立中】入試英語をめぐる大きな誤解     ( スタッフ日記 )

英語力といっても様々な定義があるのは承知しているが、受験指導をしている立場からすると、あるいは受験生からすると、英語力とは「入試英語力」となる。

英語4技能が唱えられて久しいが、結局のところ、大学入試共通テストにしても、国公立大学の二次試験にしても、難関私立大学の入試にしても、一般選抜は実態として「英語2技能」試験に落ち着いている。

英語4技能:読む、書く、聞く、話す
英語2技能:読む、聞く

私立大学では英語外部試験利用入試があるので、英検やIELTSなどの英語外部試験では「話す、書く」の技能も含まれるが、大学入試共通テストが典型的だが「読む、聞く」力で英語力が判定される。しかも最も比重が大きいのが「読む」力である。しかも「読む」の難易度が格段に高い。

日常英会話に限定すれば「聞く、話す」が重要な技能になるが、入試英語に関しては「読む」が最重要な技能となる。特に大学入試では難関大学になればなるほど「英語長文を読む」力が問われている。これは英語4技能が叫ばれるようになってからも大きな変更とはなく、根本的な変更もない。入試英語で求められている英語力とは、難解な英語長文を理解できる力である。難関国立大学や最難関私立大学の入試過去問を解いてみれば分かるはずだ。

難解な英語長文を理解できる人は簡単な日常英会話なら苦もなく話せるが、簡単な日常英会話を話せるだけの人は難解な英語長文を理解できない。難関大学の入試問題作成者はこのことを見抜いているかのように受験生の英語力を試してくる。

難関大学に限らず有名大学への合格を目指すなら、最優先で身につけなければならないのは「読む」力となる。次いで「聞く」力である。

入試英語力を効果的かつ効率的に向上させたい場合、そこに正対して取り組む必要がある。「話す」力を向上させる努力を排除する必要はないが、相当に高い「話す」力を目指さない限り、難関大学入試では役に立たないので、限られたリソースを有効活用するならば、まずは「読む」力の向上に集中的に取り組むべきとなる。

しばしば聞く「英単語が覚えられない」悩みであるが、漢字や歴史用語や理科用語もおなじで、覚える努力をしていないか、覚える努力が足らないケースがほとんどである。具体的には、

1.覚える学習に配分している時間が少なすぎる
2.覚える工夫をしていなさすぎる

学術的な研究成果では、英語力は遺伝的な影響が5教科の中で最も少ないという結果になっている。平たく言えば知能の高さとの相関が低いことが分かっている。英語、数学、国語、理科、社会の中では、英語が最も相関が低く、数学が最も相関が高い。

学校のテストや、模擬試験や、実際の入試で、英語の成績が振るわないのは、勉強が足らないことが最大の原因となる。

もちろん、言語学習に関係する学習障害があるとか、総合的な知能が低いなど、事情を抱えている場合はこの限りではない。

しばしば、保護者や社会人などが、自己流の英語学習法を雄弁に語っていることがあるが、詳しく聞くと日常英会話力のことだったり、趣味的な英語力だったりするので、そこは聞き分けた方がよい。

また、すでにそれないりの英語力を有する保護者や社会人の意見やアドバイスも注意した方がよい。受験生はまだ英語力は成長段階にある。それを上げるためにはどうしたらよいかに直結した意見やアドバイスかどうかを見極める必要がある。

例えば、英単語(英単語・英熟語)を覚えるために有効な手段として、接頭辞や接尾辞に注目するとよいという意見があったとしよう。英単語を覚える上で有効ではないとは言わないが、最初にそこに注目して英単語習得学習をしても英単語力は向上していかない。ある程度の語数を覚えてから、忘れないように、思い出しやすいように、あるいは派生語を類推しやすいように、接頭辞や接尾辞に注目するのはよい。

そもそも、接頭辞や接尾辞を気にしなくても英単語を覚えられる受験生は覚えられる。接頭辞や接尾辞に注目すれば英単語が画期的に覚えられるというような研究成果は聞いたことがない。英語を母語とするイギリス人やアメリカ人などの多くが、接頭辞や接尾辞を気にしながら英単語というか語彙力を伸ばしている訳ではないはずだ。おなじことは日本語話者の日本語語彙力にも言える。受験生のほとんどは言語学の研究者ではないし、言語学科を志望しいている訳ではないから、英単語習得に際して接頭辞や接尾辞は特に気にしなくてもよい。そこに気を取られ過ぎて逆効果になる方が危険である。

英単語の覚え方の工夫にはいくつかある。

1.入試頻出順で覚える
2.難易度の順で覚える
3・例文とともに覚える
4.英長文の中で覚える
5.テーマごとに覚える

ほとんどの英単語帳はこのいずれかの方針で編集されている。

受験生それぞれに取り組みやすい単語帳形式が違うと思うので、いくつかを試してみるのがよい。できれば違う方針の単語帳の複数に挑戦するとよい。

それぞれに難易度レベルが用意してあるのがさらによく、苦痛に感じないレベルから取り組むのが定石となる。目安としては、1周目で80%近く正解できるものがベストである。苦しくないので進めやすく、周回しやすいので定着がよく、なにより英語学習を習慣化させやすいので、英文法や英語法や英構文や英語長文読解の学習に好影響をもたらしやすい。

ここまでの話しなら、実績のある受験指導者なら言いそうな話しなので、ここで少し踏み込んだ話しをしておこう。

数学は得意だけど英語が苦手な受験生や、物理や化学は得意だけど英語は苦手な受験生は、これまで何度も英単語帳に挫折してきたことだろうと思う。学校で指定される英単語帳や、受験英語専門塾で配られる英単語帳は、もともと英語が得意な先生や講師が選んでいることが多く、英語が苦手な受験生には向いていないことが多い。

そうした受験生の全部ではないが一部には「5.テーマごとに覚える」形式の英単語帳を試してみることをお勧めする。そもそもそうした受験生の中には英単語学習そのものに興味が持てない人が多い。しかしテーマが関心のあることなら取り組む意欲が湧く可能性があることと、これはかなりの持論となるが、理系が得意な受験生の場合は理路整然とした学習が得意であることが多いので、テーマ別英単語帳との相性が良いことが多い。とりあえず関心があるテーマに配分されている英単語や英熟語から覚えることに取り組むというのがよいだろう。覚えやすいと苦にならないから、さらに覚えようという意欲もわきやすい。

どの英単語帳がよいかはここでは紹介しない。

個々人の能力やレベルや目的に合わせて使用する英単語帳を指示するようにしているからだ。どこのだれかも分からずに紹介することはできない。

受験指導に相応の経験と実績があり、実際に指導をしてもらっていて、信用できて、相性が良い指導者に、選んでもらうとよい。

繰り返すが、入試英語と、日常英会話や習い事系英語を、ゴチャゴチャにしない方がよい。

入試英語力は入試合格に直結するが、日常英会話や習い事系英語は入試合格には必ずしも直結しない。外国語系学部や国際系学部を目指すなら引き止めはしないが、工学系や理学系や農学系や医療系などを目指す受験生には効果が期待できない場合が多い。

入試英語は「読む」力が最重要になる。

まずここを攻略するのが合格への最短コースとなる。


<お知らせ1>
・「完全無料!受験よろず相談会!」を実施します。

<おしらせ2>
・久々に「都立中チャレンジコース」による募集をします。

<おしらせ3>
・「資料請求」と「お問い合わせ」はご遠慮いただいております。


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