TOPスタッフ日記【都立中】バーチャル中高一貫戦略

2024年04月19日 金曜日 【都立中】バーチャル中高一貫戦略     ( スタッフ日記 )

狂乱物価ほどではないものの急激な物価上昇が沈静化する様子はない。

久しぶりの賃金上昇とはいっても総平均は高々5%で、体感物価上昇率には追いつきそうもない。

首都圏の私立中学受験率が過去最高を更新したが、首都圏郊外に新設された私立中学の定員追加による要因が大きく、東京も神奈川も千葉も私立中学受験率は実は低下に転じている。

都内はもちろん首都圏全体でも公立中高一貫校の入試倍率は低下傾向が止まらない。誰にでもチャンスがあるかのように誤認した層は公立中高一貫校の闘いからはすでに退場している。そればかりか、そもそも受かりそうもない受検生が大手塾にいくら課金しても受かるようにはならないとが知れ渡ったことは大きい。

少子化は加速度を増していて、約10年後には中学生以下の人口が全国平均で約25%減る。

今は優秀な生徒でなければ入学できない難関私立中学も、やがてアレっと思うような受験生でも合格できるようになる。それは高校受験でもおなじだし、大学受験でも同じである。それぞれ3年ずつ遅れて起きる。

中学受験して難関私立中高一貫校に入学しておかなければ将来まともな人生が送れないと考えたとしても、それは今現在ではそうかもしれないが、近い将来にその考えは成り立たなくなる可能性がある。

しかも、私立中高一貫校へ進むとすると、小4から3年間大手塾に通い、中学高校の6年間を私立学校に通えば、総支払額は1000万円では足らないくらいになる。子供二人なら2000万円以上になる。私立高校授業料が無償化されているが、設備費や教育充実費などは対象とはならないため、実は焼け石に水でしかない。

そして、私立中高一貫校に通わせれば塾予備校費用は掛からないなどと言うのは迷信でしかない。難関私立中高一貫校の生徒ほど入学後の6年間の通塾率は高い。この費用まで合算すると怖ろしい金額になる。

中学と高校の6年間を公立で過ごせば、最も少ない教育費で大学受験まで進める。

中学受検して公立中高一貫校に進む場合も、高校受験して公立高校に進む場合も、中学受検では小学生時代に3年間塾通いをし、高校受験では中学生時代に3年間塾通いをしたとすると、それぞれ3年間の塾代が必要となるから、総教育費はほぼ同じになる。

公立中高一貫校の場合は海外研修などの教育実費が必要になるが、それは私立中高一貫校でも同じである。教育実費を考慮すると公立中高一貫校よりも公立中学から公立高校に進んだ方が安くなるが、概ね6年間で100万円程度の差しかない。

公立高校は好き嫌いや我がままをしなければどれかの学校には合格できるが、公立中高一貫校の場合は公立高校超難関校レベルの競争の厳しさというか難易度となるから誰もが目指せる訳ではない。

そうなると、公立中学から高校受験をして公立高校を目指すのが、最も安く、そして、実現しやすい進路となる。

ただし、高校受験をして公立高校に進むことには大きなデメリットがある。私立や公立の中高一貫校より高校内容の学習進度が遅くなることである。平均すると約1年遅くなる。進度が早い中高一貫校と比べると2年近く遅い。

これは大学受験で大いに不利になる。

おなじ学力であれば一浪してやっと中高一貫生と互角の闘いができることになり、一浪したくなければ目指す大学の難易度ランクを2ランク程度下げなければならなくなる。

*大学受験で1ランクとは偏差値で2.5ポイントである。2ランクだと偏差値で5ポイントとなる。青山学院大法学部の偏差値が60、國學院大學法学部の偏差値が55なので、青山学院と国学院くらいの差と考えてもらえばイメージしやすいだろう。

あまり世間では話題にならないが、公立中学と公立高校に6年間通って、私立や都立の中高一貫校なみのパフォーマンスを上げる方法がある。

「バーチャル中高一貫校」戦略である。

公立中学と公立高校に通いながら、中高一貫校のように大学受験対策を進めればよいのである。

難関都立高校を目指すなら、受験5教科は中2までに終える必要がある。中3では高校入試の難問対策をしなければならないからである。つまり中学学習内容は2年で終えることになる。この進度は中高一貫校とほぼ同じである。違いは中3で高校内容に進むのか、中学内容の発展学習を続けるのかになる。

この中学内容の発展学習を、将来の大学受験にも直結するような内容にすれば、「バーチャル公立一貫校」にすることができる。

高校受験をしながら高校内容を先取りするのは容易ではない。上手くやらないと高校受験に悪影響が及ぶ。

高校内容まで先取りしても高校受験に悪影響が起らない筆頭科目は英語である。いくら先取りしても高校受験の妨げにはならない。むしろ高校受験に好影響が期待できる。圧倒的な得意科目になる。高校受験英語でも圧勝できる。

次は社会である。地理も歴史も公民も、高校参考書を使って深堀しておくのである。これも高校受験に好影響が期待できる。地理は高校地理の地誌、歴史は高校日本史、公民は高校政治経済の標準レベルの網羅系参考書が役に立つ。高校受験社会で高得点が取れるし成績を高いレベルで安定させられる。尚、高校社会は科目選択制になるが、高校世界史と高校倫理は自学で先取りすることはお勧めしない。プロの指導を受けないと苦手をこじらせる危険があることと、高校受験ではほぼ出題されないからだ。

続いて国語である。まず漢字はいくら先取りしても損はない。苦しくならない程度でよいので大学受験レベルに入っておくと、都立高校自校作成校の漢字問題で有利になる。漢文の句法も高校レベルにまで上げておいて損はない。それほど難しくはない。古文だが古典文法はそこそこ難しいし、口語文法が完成していないと意味不明になるので、まずは口語文法を高校レベルまで進めておくとよい。古文単語はいくら先取りしても損はない。英単語と違って膨大な数を覚えなくてもよいから中3で挑戦しておけば高校入試の古典分野が楽勝になる。

数学と理科はムリに先取りせずに中学内容を徹底して完成させておくのがよい。特に理科は高校では科目選択になるので、先取りするなら得意分野だけでよい。実は高校理科は化学がもっとも難しく中学生には御しがたい。先取りするなら生物がお勧めではあるが、高校では選択しないかもしれないのでほどほどでよい。数学は自力で先取りするのは危険なので、先取りするなら信頼できる指導者のもとで進めるのがよい。

これらができるなら、わざわざ私立中高一貫校に進む必要はなく、巨額の教育費を将来に向けて温存できる。

公立中高一貫校を受検して入学できたなら、学校カリキュラムが中高一貫カリキュラムだから、その進度に合わせて励めばよい。

私立中高一貫校に高校から入学することはお勧めしない。メリットはほぼなく、デメリットの方が多いからだ。

公立中高一貫校を目指しながらも残念になったら、公立中学では「バーチャル中高一貫校」戦略を取ってはいかがだろうか。

ただし、公立中高一貫校の合否が判明したらすぐに始めないと、高い効果は期待できないし、かえって高校受験に悪影響になりかねないことだけは承知しておくべきだろう。

しかも、「バーチャル中高一貫校」戦略に詳しく、「バーチャル中高一貫校」戦略で適切に指導できる塾や予備校は、ほぼ皆無に近いであろう。


<お知らせ1>
・「完全無料!受験よろず相談会!」を実施します。

*詳細はトップページからご確認ください。
*今後は『有料化』を予定しています。

<おしらせ2>
・久々に「都立中チャレンジコース」による募集をします。

*今年度は初めて小6も募集対象にします。
*詳細はトップページからご確認ください。

<おしらせ3>
・「資料請求」と「お問い合わせ」はご遠慮いただいております。


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