TOPスタッフ日記【都立中】日本史か世界史か地理か

2024年04月18日 木曜日 【都立中】日本史か世界史か地理か     ( スタッフ日記 )

新課程入試の社会をどの科目で闘うべきか、悩む受験生は少なくないだろう。

まず、国公立大学を受けるかどうか、次に文系か理系かで、最適解は違ってきそうだ。

1.国公立大学文系

私立大学を受けるかどうかで少し違うが、難関国立大学を目指す受験生の場合、都内の受験生は最難関私立大学を併願することが多いだろうから、その前提で考えてみる。

まず、地理を選択すると最難関大学を受験できなくなるリスクがある。例えば、慶應大学は伝統的に、商学部を除き日本史か世界史からしか選択できない。地理や政治経済で受験できる私立大学がない訳ではないが、大学や学部が限られるので、文系受験生の場合は、実質的に日本史か世界史の2択となる。

国公立大学を第一志望か第二志望で受験する場合、日本史か世界史を選択すると、共通テストで歴史総合がセットになる。歴史総合は日本史分野はおもに明治以降が範囲となり、世界史分野は大航海時代以降が範囲となる。このため、日本史選択受験生の方が追加的に学ぶ範囲が広く不利である。このため、日本史に固執する強い理由がないなら、平たく言えば日本史でも世界史でもどちらでもよいなら世界史を選択した方がよいことになる。

加えて、公共・倫理か公共・政治経済のいずれかを社会の2つ目の科目として選択することを前提にすると、どちらも日本史よりも世界史との方が関連する内容が多くなるので、組合せの上でも世界史の方がお勧めとなる。

2.国公立大学理系

共通テストでしか社会は課されないし、私立大学ではそもそも社会は課されない。しかも共通テスト社会は文系とは違い1科目となる。

歴史総合・日本史探求
歴史総合・世界史探求
地理総合・地理探求
公共・倫理
公共・政治経済

ここから1科目を選ぶ受験生が多いだろうが、

公共・地理総合
公共・歴史総合
地理総合・歴史総合

からの1科目でもよい。しかし、この3つは範囲が広くなるので好まれないだろう。

範囲の狭さからは、地理総合・地理探求か、公共・倫理か、公共・政治経済となるが、できるだけ社会は軽量で対策したい受験生には地理総合・地理探求が好まれるだろう。

しかし、地理総合・地理探求には、全選択肢の中で高得点が最も取りにくいという難点がある。かつ、得点が安定しにくいという難点もある。

難関国立大学や国公立医学部医学科を目指すなど、社会でも高得点が必須になる場合は、地理総合・地理探求を選択することは注意が必要となる。地理総合・地理探求で高得点を目指す場合は軽量の対策では難しいから、公共・倫理か公共・政治経済の方が安全である。

ただし、高得点でなくてもよいなら、地理総合・地理探求もありとなる。しっかり対策をしなくても超低得点にはなりにいという特徴があるからだ。代わりに、しっかり対策をしても高得点が取りにくいという欠点がある。

社会で高得点を狙う必要があるなら、まずは、公共・倫理か公共・政治経済がお勧めである。しっかり対策時間数が取れるなら、歴史総合・日本史探求か歴史総合・世界史探求でもかまわない。猛勉をいとわない受験生であれば、歴史総合・日本史探求か歴史総合・世界史探の方が報われる可能性が高い。

3.難関私立大学文系

「共通テスト利用入試」や「共通テスト併用入試」を使うかどうかで若干違いがあるが、いずれにしても私立大学の「個別学部日程入試」や「全学部日程入試」が主戦場となるだろうから、早慶を目指すなら日本史か世界史の2択しかなくなる。さしあたり2025年入試では、歴史総合を含む大学学部と含まない大学学部に分かれるので、志望大学の試験科目や出題範囲を確認しておくべきだろう。

歴史総合を含まない大学や学部しか受験せず、かつ早慶は目指さないのなら、日本史が第一候補となろう。なぜなら世界史は基礎を固めてそこそこの得点が出せるようになるまでの対策期間が長くなるからだ。かつ、海外旅行には全く行ったことがない受験生や、海外在住経験のない受験生の場合は、世界の地名や人名や宗教や言語や文化などを理解するのは容易ではないからだ。

日本史の難点は、大学や学部によっては、かなり細かいことまで問われることと、論述が難問となることがあることだ。これらは最後の最後まで受験生を苦しめることになる。世界史がそこまで細かいことまで聞いてこないことが多いことと、論述も俯瞰的なことを説明できればよいことが多いこととは、対照的である。

このため、早稲田や慶應と、MARCHの上位学部を目指すなら、世界史の方に分がある。

結論として、世界史オシになったが、国公立大学や難関私立大学を目指さないなら、逆に世界史はお勧めしない。

基礎を固めるために最も多くの勉強時間数が必要であること、教科書や学校授業が大雑把な地域別に編成されているにもかかわらず、実際の問題は、個別の国について問われたり、地域をまたいで年代で問われたり、特定の国や地域に絞って時系列で問われたり、分野を限定して国境を越えて問われたり、離れた地域の関係を問われたりと、深く正確に客観的に理解する力、つまり高い学力がないと、最終的に仕上がりが悪くなってしまいやすい科目であるからだ。

お勧めの社会の第一選択科目を整理しておく。

国公立文系:世界史>=日本史、公共・政治経済≒公共・倫理>地理総合・地理探求
国公立理系:公共・政治経済≒公共・倫理>地理総合・地理探求

難関私大文系:世界史>日本史
上位私大文系:日本史>世界史
中堅私大文系:日本史>政治経済
平凡私大文系:政治経済>日本史

好きか嫌いかで選べばよいなどとアドバイスをくれる教師や塾予備校講師には気をつけた方がよい。全部好きな場合に結論は出ないし、全部嫌いな場合も結論が出ないからだ。好きか嫌いかほとんど差がない場合も結論が出せないからだ。

得意か得意でないかで選べとアドバイスをくれる教師や塾予備校講師にも気をつけた方がよい。受験対策に実際に本格的に取り組んでみなければ、最終的にどんな得点率にまで到達できるか、つまり本当の意味で得意かどうか、始める前には分からないからだ。

いったん選択したら変更は難しいので、科目ごとの特徴をしっかり承知した上で、その科目に配分できる総勉強時間数や、どこまで耐え忍べるかの忍耐力や、攻略し尽くせるかの学力や、受験予定大学の選択科目や配点や、受験予定の大学や学部における出題傾向までをふまえて、戦略的に選ぶべきである。

暗記が苦手な受験生は、科目選択に入る前に、受験勉強体質の本格的な改善をした方がよい。世界史も日本史も難関大学に合格したいなら、最低でも5000用語を正確に覚える必要があるからだ。早稲田や慶應なら5000でも全く足らない。教科書の本文に載っていない用語であってもあたりまえに出題される。教科書の隅や、難関大学向け参考書か問題集や、歴史資料集には載っていることはあるから、参考書と資料集と問題集を完璧に仕上げる覚悟が必要だ。さもなくばライバルに勝てないと考えた方がよい。

暗記が苦手かどうかは、英単語が覚えられるか、古文単語や古典文法を覚えられるかで、おおよその判断はできるであろう。

くれぐれも逃げの思考で科目を選択しないことをお勧めする。

社会だけでなく、理科の生物や化学も、暗記が苦手な受験生は成功できない。英語や国語は言うまでもない。実は数学もである。

だから、まずは勉強体質の改善を試みることが重要なのだ。

暗記したかではなく、本当に理解して定着できているかは、その後に思考力問題が解けるかどうかに大きく影響し、最終的に明暗が分かれるからだ。


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・「完全無料!受験よろず相談会!」を実施します。

*詳細はトップページからご確認ください。
*今後は『有料化』を予定しています。

<おしらせ2>
・久々に「都立中チャレンジコース」による募集を行います。

*小6も募集対象にします。
*詳細はトップページからご確認ください。

<おしらせ3>
・「資料請求」と「お問い合わせ」はご遠慮いただいております。


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