TOPスタッフ日記【都立中】2024は大転換の年になる

2024年03月31日 日曜日 【都立中】2024は大転換の年になる     ( スタッフ日記 )

2024年は大転換の年となりそうだ。

特に大学受験と中学受験が大転換期を迎える。

まず、大学受験は新課程入試の初年度になる。

大きく変わるのは共通テストの社会と数学である。

社会では歴史総合と地理総合と公共が新設される。日本史受験生や世界史受験生は日本史や世界史の受験対策をしていたのでは共通テストを乗り越えられず、日本史を選択しても世界史を選択しても歴史総合という名の日本史世界史融合の近現代史が出題範囲となる。倫理や政治経済だけを1教科とすることもできない。公共という名の倫理と政治経済の融合分野も学ばなければならない。

数学では数学Cが新たに出題範囲に加わる。これにより数学2Bは実質的に数学2BCになり、かつては数学3の範囲だった一部分が共通テスト範囲に加わり試験時間も延長になる。

これにより、共通テスト離れが加速しそうな気配である。多くの大学受験生にとって共通テストの負担感は過去最高に達する。センター利用に比べて「ムリゲー」感が強まっている。地方国公立大学は優秀な受験生を集めるためには根本的な対策を求められることになるだろう。

私大入試における共通テスト利用入試離れも加速しそうな気配である。共通テスト利用入試は試験会場に足を運ばなくて済むという手軽感から出願が多かったが、共通テスト利用入試の定員が少ないことから一般選抜よりも難易度が高いことが知れ渡ったことで、敬遠する受験生がさらに増えそうだ。

私立大学だけでなく国公立大学で総合型選抜や推薦型選抜の定員が増え、その分一般選抜の定員が削減されるようになったことも、共通テスト離れを加速させる可能性がある。

加えて、医学部医学科入試の激戦化の動きがさらに強まりそうだ。新型感染症の影響などからやや敬遠されていた医学部医学科入試が、もとに戻るだけでなくさらに激戦になる。地方都市の人口減少による魅力的な就職先の減少や、日本経済の競争力低下などによる魅力的な就職先の減少から、医学部医学科の人気が加速しつつある。当面は高齢者人口が高水準で推移する見通しであることも医学部医学科人気を後押しする。これまで面接や小論文による選抜強化が続いていたが、これに学力試験による選抜強化の動きが予想される。今春の医学部医学科入試の激戦化がそれを裏づけている。国公立大学はもちろんだが、私立大学医学部医学科の激戦化が顕著である。共通テストの対策負担増大が顕著なため、私立大学医学部医学科を専願にする優秀な受験生の増加も起きそうだ。

次に、私立中学入試で大きな転換が起きそうである。

今春の入試では首都圏の中学受験率は上昇したが、中学受験人口は減少した。最大の理由は少子化だったが、この少子化はこれから本格化する。約10年後となる2035年には、日本全体の14歳以下人口が25%減少する。首都圏でも埼玉や千葉は約20%減少する。東京は約5%の減少に留まるが、首都圏全体では大きな減少となる。この分水嶺となるのが2024年度である。

御三家や最難関校への影響は相対的に軽微となりそうだが、自称進学校以下では受験生を集めることに苦労し始める私立中学が徐々に増えていく見込みである。地元公立中学への不安から私立中学受験を選択する受験生に影響が広がっていくであろう。徐々に合格しやすくなっていくので、それを歓迎する向きには朗報かもしれないが、それなりの受験生しか集まらなくなる私立中学が増えていくことになるので、受験校選びに新たな影響が広がると考えておいた方がよい。

最後に、都立中高一貫校で激震が起る。

男女別定員の撤廃である。都立高校では先行して男女別定員が撤廃され、都内公立中高一貫校では千代田区立九段が1年早く男女別別定員の撤廃に踏み切ったが、2024年に小6となる受検生は、九段をふくむ11校すべてで男女合同定員での入学者選抜となる予定だ。

高校受験に比べて男女別で発達段階の差が大きい小学生が挑む入試となるので、一般論として、女子に有利となり、男子には大いに不利となる。女子に有利になると言っても、もともと合格できそうであった女子受検生がより高い確率で合格できる可能性が高まる程度であり、そもそも合格できそうになかった女子受検生が合格できるという甘い見立ては成就しないであろうから、甘い期待はしない方がよい。

男子受検生の場合、高校受験に方針変更しても都立高校はすでに男女合同定員となっているから有利にはならないし、私立中学受験でも男子校と共学校の男子定員はもともと少ないから、男子にとっては、逃げ場も穴場も完全になくなることになる。いっそ男子は腹をくくって、中学受験や高校受験での短期的な勝利を目指すのではなく、大学受験での最終勝利に焦点を合わせて、長期的な戦略を組むのが賢明であろう。

強いて言えば、公立中高一貫校入試では、2024年に限っては楠隼中入試の魅力度が大いに高まりそうである。男子が男子だけで闘える数少ないブルーオーシャンである。

幸か不幸か、神の思し召しか、2024年に受験学年となる塾生は、大学受験も高校受験も中学受験も、過去10年間で最も少ない。このため、2024年は今後10年で極端に深刻化する少子化に備えて、新たな指導体制構築の年にするつもりだ。新しい施策を次々に打ち出していくつもりなので、ご期待していただきたい。


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