TOPスタッフ日記【都立中】二極化ではなく多極化

2023年12月04日 月曜日 【都立中】二極化ではなく多極化     ( スタッフ日記 )

メディアでは「二極化」というキャッチコピーが盛んに使われるが、実態は「多極化」ではないかと思われる。

「二極化」ではなく「多極化」と考えれば、さまざまなことに説明がつくからだ。

近年、大都市圏では中学受験が空前のブームとなっているが、一方でそのブームに陰りが出始めているという指摘も多い。

都内の中学受験率は、高い地域では50%を超え、低い地域では10%前後であるが、全体としては25%程度である。約4分の1だ。

ただ、この比率は時系列的には高く、時系列平均では20%前後である。

中学受験を念頭に多極化の区分を定義すると、

1.教育資金が潤沢で惜しみなく注げる層
2.教育資金を労せず捻出できる層
3.教育資金を努力すれば捻出できる層
4.教育資金をムリすれば捻出できる層
5.教育資金をムリしても捻出できない層

のようになるだろうか。

これを階層的な名称で言い換えれば、

1.富裕層
2.準富裕層
3.中間上位層
4.中間下位層
5.下層

収入源的に分類すれば、

1.資本家層と超エリート層
2.エリート層
3.一流サラリーマン層
4.一般サラリーマン層
5.非正規雇用者層

具体的には、

1.大規模企業経営者、大規模株式保有者、資産家、大規模病院開業医など
2.一流企業幹部候補サラリーマン、中規模企業経営者、勤務医、研究者など
3.大企業サラリーマン、公務員上級職、小規模企業経営者
4.一般サラリーマン、公務員一般職、大中規模自営業者
5.非正規雇用サラリーマン、零細自営業者、パート・アルバイト、日雇労働、フリーター

分布的には、

1:上位05%程度
2:続く上位05%程度(累積10%程度)
3:続く上位10%程度(累積20%程度)
4:続く上位50%程度(累積70%程度)
5:残り20%程度(累積90%程度)

ここで注目すべきは分布である。

4と5で全体の80%くらいを占めている実態である。

富裕層と準富裕層は景気動向やブームに関係なく子息に中学受験をさせる傾向が強い。

中間上位層も景気動向やブームに関係なく子息に中学受験をさせたいという意向が強い傾向にあるが、かならずしも中学受験を志向しない。

中間下位層のうち意識が中間上層に近い層は中間上位層と同じように振舞いたがるが、資金的には余裕はないので、景気動向やブームに左右されやすい。

この中間下位層のうち意識が中間上層に近い層が、近年の中学受験ブームを支えている層だと考えられる。状況によっては中学受験からはさっさと撤退する可能性がある。

意識が中間上位層に近くない層は、もともとは中学受験への参戦には消極的であるが、周囲の影響などから参戦する人たちが一部にいて、かつての公立中高一貫校ブームや、近年の過度な私立中学受験ブームの担い手ともなった。ただ、一貫した教育熱心層ではないことが多く、ブームが去れば元の鞘に静かに戻る可能性が高い。

下位層は中学受験には興味がないことがほとんどで大学進学にも興味がないことが多い。教育投資には基本姿勢としてネガティブな層である。

ただ、親の属する階層と、子の学力の分布は、一致しない。裕福なのに学業不振な子や、裕福でないのに学業成績が優秀な子が、昔も今も存在することを見逃してはいけない。

話しは戻るが、二極化とするのは分かりやすいからであろうが、実態としては、富裕層・準富裕層と、下位層の間に、豊かとは言えなくなったグレーゾーン的で流動的な中間層が、依然として大きな比率で存在している。ただこの中間層がどれだけ豊かか豊かでないかで、社会全体の豊かさに大きな影響があるように思う。

この中間層がどう動くかで、中学受験比率は変わる。

おなじことが、国政選挙などでも起きる。

この中間層がどう動くかで、政権交代も起こり得る。

今日は違うことをテーマに書くつもりだったが、その前段でかなりお話しが長くなってしまったので、今日はここまでにしておきたい。

書きたかったことは、今まさに中学受験が大きく変わろうとしているということである。今はまだ地殻変動の最中でしかないことである。そして、これから表層で大変動が起きそうであるということである。

他にも書きたいことがたくさんあるので、続きはいつ書くかわからない。

令和6年度は、これまでとは違う試みをしようかと考えているので、そちらを先に書くかもしれない。


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