TOPスタッフ日記【都立中】私立の残酷なシステム

2023年07月21日 金曜日 【都立中】私立の残酷なシステム     ( スタッフ日記 )

多くの私立中学受験生が受験校として選ぶであろう、上位校や中堅校の多くは、残酷なシステムで運用されていることを知っておくべきだろう。

私立中学や私立高校に多くの合格者を輩出すれば、自ずと入学後の情報が入ってくる。

営利優先の大手の塾や予備校は己の利益への悪影響を懸念して、顧客や見込顧客へは都合の良い情報しか提供しないので、受験生や保護者にとって不都合な真実が、十分に情報共有されているとは言い難い。

大手になるほど情報管理が強化され徹底される傾向にあるが、多くの受験生や保護者は大手塾や大手予備校を選好する傾向が強く、そのことも実態の情報共有が進まない原因となっている。

ある人気の私立中高一貫校をモデルにわかりやすく説明しておこう。

1学年の入学定員は、200人の5クラスであるが、辞退者を見越して、入学者が定員を割り込まないように、ある程度の安全余裕度をもって合格者を出すので、しばしば入学者は250人近くになる。当然に1クラス多い6クラスからスタートすることになるが、このまま6年間が過ぎていくことはまずない。

早ければ中1の途中から成績不振者がピックアップされ、本人と保護者にやわらかく警告が発っせられることになる。中1の夏から強制補習といった名目の、強制参加の追加授業へ参加や、追加課題が与えられることになる。

保護者面談や三者面談では、繰り返しこのままでは進級できないとか、高校課程には進めないなどと、警告を受けることになる。

中学課程のうちは義務教育なので強制的に退学処分になることはほとんどないが、自ら自主退学を選ばざるをえなくなることはある。

毎年クラス替えされることが多いので気がつかないことが多いが、少しずつ少しずつ生徒数が減少していることに、うすうす気がつくことになる。

高校課程に進む際の保護者面談や三者面談は、問題がない生徒は和やかな雰囲気の中で高校進学の意思確認が行われるが、問題がある生徒の場合は緊張感のあるものになる。この時期には追放されるだろう生徒はほぼ覚悟を決めなければならない。

気がつけば、定員を大幅にオーバーしていた学年生徒数は、定員近くに落ち着いているということになる。

私立学校だから、在籍する限り、公立学校よりも高額な授業料や設備費などを払い続けなければならない。

保護者の側も、心と財布に相当な余裕でもない限り、学校からの最後通牒を先回りする形で、自ら決断することになる。

その後の進路は様々である。

私立中高一貫校で、不登校の生徒の認識数が相対的に少ないのは、このためである。

不登校が続き復帰の兆しが見通せないなら、自らの判断か学校の判断かのどちらかで、その私立中高一貫校を去ることになるので、不登校のまま在籍する生徒数は多くはならない。

公立中高一貫校の場合は、高額な授業料を払う必要はないので、少なくとも中学課程のうちは、不登校になっても不登校のまま居座る生徒が多くなる。

中には高校進学近づくと急に登校するようになる生徒もいるが、多くはそのまま学校を去ることになる。その間は、不登校のまま在籍というケースが、私立中高一貫校よりは多くなる。

成績不振で学校を去る生徒の割合は、比べる私立中高一貫校にもよるが、少なくとも中学課程のうちは都立などの公立中高一貫校の方が少ないようだ。これは公立中高一貫校は定員を超えて生徒を入学させないこととも、関係していると思われる。

ただ、高校課程になれば、私立も公立も義務教育ではないから、不登校(出席日数不足)や成績不振のまま居座ることは難しくなる。これは私立中高一貫校も公立中高一貫校もおなじである。

あるネット掲示板では、都立中高一貫校に不登校者数が多いのは、都立中高一貫校の課題(宿題)が多いからだというような議論になっているようだが、おなじような入学難易度や進学実績の学校どうしでは、私立も公立も課題の量に大きな差はないから、課題の多寡が不登校者数の多寡の違いの原因だと決めつけるのにはムリがあろう。

公立中高一貫校は地元公立中学のような気楽な学校だと思って入学すると、現実とのギャップで登校できなくなる生徒がいてもおかしくはないが、随分前ならまだしも、今やほぼいなくなったのではないだろうか。

それよりも、私立中高一貫校と公立中高一貫校では不登校の生徒の扱いが違うことが、公立中高一貫校の方が不登校の生徒が多くいるように見えてしまう原因だと考えられる。

私立中高一貫校の残酷なシステムは、その対象者にならなければ、私立中高一貫生であっても、気がつかないままになることが多い。

そのことが、まったくの誤解を生む原因だろうと思われる。

私立中高一貫校やその関係者を敵に回す気など毛頭ない。多くのケースでは学校に責任はない。よって、この辺りで今日の日記は切り上げることにするが、実情をよく知らない人や悪意のある人などが、ネット掲示板などで大暴れしているようなので、情報収集されようとする方は、十分に気をつけられるのがよいだろう。

特に、匿名の人の発言や書込みは、ムシするか99%引きで聞いたり読んだりするくらいが、安全である。そして議論には参加しないのが賢明である。

そもそも、ネット掲示板など閲覧しない方がよいだろう。


=お知らせ1=
鹿児島県立楠隼中学校は、2026年度からの共学化や高校募集停止などが検討されることとなり、近い将来の入試方式や難易度が正確に予想しづらくなったため、「楠隼中合格コース」(小5の6月最終締切)の募集を停止します。

この募集停止により今年度小4以下の学年は楠隼中対策専門コースの募集がなくなりますが、「都立中合格コース」でも楠隼中合格対策指導を行いますのでご検討ください。ただし「募集基準」が違います。

=お知らせ2=
体験授業をご希望されます方は、PC版トップページの「インフォメーション」→「体験授業・学習相談」→「体験授業のお申込方法」を、事前にご確認いただいてから、ご連絡をお願いします。

=お知らせ3=
9月1日からの受講スタートをご希望される方は、8月のお盆前までに「体験授業」をお済ませください。

=お知らせ4=
「教室案内」のチラシを「教室の入口ドアの外面に置く」ことにしました。ご自由にお持ち帰りください。ドアノックやインターホン呼び出しの必要はありません。

=お知らせ5=
こちらからの返信メールにお気づきになられない方が多いようです。いつもはご覧になられていないホルダーなども、ご確認くださいますようお願いします。


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