TOPスタッフ日記【都立中】階層間移動

2023年04月12日 水曜日 【都立中】階層間移動     ( スタッフ日記 )

どの社会においても社会階層が存在することはご承知の通りである。

教育や受験は、長らく「階層間移動」の手段として機能してきた。

下層から中層へ、中層から上層へ。

しかし、時代の変化とともに、教育や受験の「階層移動機能」が大きく変化したことは、専門家でなくても肌感覚で分かるであろう。

教育や受験は、上層は上層へ、中層は中層へ、下層は下層へ、という「階層固定化機能」を、徐々に強めつつある。

そして、教育や受験の「失敗」が、

上層から中層へ、中層から下層へ、下層から最下層へと子を導く、「階層低下化機能」を強めつつあることも、見逃してはならない。

端的な例ではあるが、東京大学入学者の出自を確認してみれば、その変化を追うことができる。

バブル経済崩壊以前、東京大学合格者に占める私立中高一貫校や国立大学附属の出身者の割合は50%を下回っていた。ところが、2020年代に入ると、その割合は70%を超えるようになる。

私立中高一貫校や国立大学附属へ進学させることは、相応の学校外教育費を、幼少期や小学校低学年から負担できる家庭でなければ、実現は容易ではない。

ここに風穴を開けたのが、公立中高一貫校であったが、設置が開始された当初はさしたる対策しなくても合格できた人がいたものの、今や、合格のためには塾の対策コース通いは当たり前になっているので、こちらも相応の学校外教育費を負担できる家庭でなければ容易ではなくなった。

それでも、公立中高一貫校の中高6年間の授業料は、公立中学から公立高校へ進むのと大差がないということは、私立中高一貫校とは大きく違う点ではある。ただし、公立中高一貫校には定員があるので、希望すれば誰でもその道を選択できる訳ではない。

教育や受験が、階層間移動の機能を低下させてきていることが、今後さらに大きく社会問題化しそうである。

親ガチャに象徴されるように、どのような家庭に生まれたかで、その子の凡その人生が決まってしまうという現象が強まってきているからである。

親ガチャの問題は、教育費をどの程度負担できるかの経済的な側面だけに留まらない。受験競争が激化し複雑化してきているので、親の受験経験の差もまた、子に強く影響を与えるようになってきている。

平たく言えば、難関大学の入学試験を突破したことがある保護者と、そうでない保護者では、子にその厳しさをリアルに伝えられるかどうかに、大きな差が生まれかねないということである。

もちろん、塾や予備校がそのすべてを代替をすることは不可能ではないが、塾や予備校の授業や指導だけで、厳しい受験を乗り越えられる訳ではないので、親や家庭の教育力の差が、子の将来に影響を与えることになる。

大学入試において、総合型選抜や学校推薦型選抜の比率が高まったことで、学力試験さえ突破できれば難関大学に合格できた時代が終焉を迎えようとしている。ここでも、子の学力だけでなく、親の受験成功体験をふくめた家庭の教育力の差が、大きく影響するようになってきている。

総合型選抜や学校推薦型選抜を批判するつもりはない。

中学受験や高校受験は、将来の大学受験の前哨戦だと位置づければ、親の成功体験や経験が、子の成功に寄与するだろうことは想像に難くない。

大手塾や大手予備校の存在が、これらの営利団体としての存在目的を達成するためのベクトルの強さから、システムマチックに「親の所属階層」を「子の所属階層」へと移転させる「階層固定化機能」を強化する方向に機能していることに、危機感を募らせずにはいられない。

このままでは、社会の階層はより固定化を強め、社会を硬直化させ、社会の活力を削ぎ、結果として社会全体の豊かさや幸福度を低下させかねない。

階層の固定化や、階層の硬直化は、社会の安定性を損ね、社会の柔軟性を失わせ、社会の多様性さえも奪いかねない。

その行きつく先に、何があるのか。

想像するだけで、怖ろしい。

公立中高一貫受検指導だけでなく、すべての受験指導において、塾生の高い合格率を維持し続けてきたことが、社会の豊かさや個々人の幸せの実現に寄与したと、願わずにはいられない。


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