TOPスタッフ日記【都立高】高校受験の実態を知る

2021年07月06日 火曜日 【都立高】高校受験の実態を知る     ( スタッフ日記 )

中学受験を選択するか、高校受験を選択するかは、受験生親子の、自由だ。

しかし、その前に、中学受験の仕組みや、高校受験の仕組みを、正しく理解しておくべきだ。

特に、高校受験の実態を、正しく理解しておくべきだ。

保護者が高校受験経験者だとしても、すでにその知識は役に立たなくなっている可能性が高い。保護者が東京都で高校受験したことがないなら、なおさらだ。

地元の公立中学に入学したら、高校受験の指導を受けられると考えていたとしたら、かなり甘い。基本、何もしてくれないと考えた方が安全だ。

「受験生親子で調べて、お好きなようにどうぞ」

というのが、地元公立中学の進路指導の基本スタンスだ。

受検生親子との間にトラブルが起きたり、合否をふくめ責任を問われたりするのを、回避したいのではないかと推察される。

価値観の多様化で、進路指導そのものが難しくなっていることもある。

経済的な理由や、家庭の事情なども、多岐に渡る。

画一的な進路指導など、成立しなくなっていることも背景にあると考えられる。

つまり、高校受験を選択しても、受験生親子が自分で情報収集をし、自分で選択をし、自分ですべての責任を負わなければならない。

もちろん、出願手続きなどの管理はしてくれる。

それは、地元公立中学が、己を守ることにつながるからだ。

例えば、私立高校を単願推薦で出願した生徒が、地元公立中学が知らないまま、勝手に別の私立高校に一般で出願したととしたら、地元公立中学は面子が丸つぶれになる。だから、そうしたことはさせない。出願手続きの管理監督は徹底して行われる。

しかし、それは出願事務手続きだけの管理であって、保護者や受験生が期待するような、親切丁寧な「進路指導」とはほど遠い。単なる出願管理を「進路指導」と呼んでいると思った方がよい。

高校受験生とその保護者は、まず、高校受験の仕組みをよく理解しなければならない。ただ出願して受験すればいいのでしょ、という訳にはいかない。

まず、私立高校の出願の仕方には、都内の場合、概ね次のような種類がある。呼び方は学校によって若干違う。また、単願推薦と一般(フリー)の間に、微妙な入試方法がいくつかある。

推薦(単願推薦)
推薦(併願推薦)
一般(単願)
一般(第一志望)
一般(併願優遇)
一般(フリー)

また、都内の高校受験生が、埼玉や、千葉や、神奈川の私立高校を併願する場合は、さらに話しがややこしくなる。

神奈川の場合、推薦、書類選考、一般、オープンに、大きく分けられる。この書類選考は都内の私立高校にはない制度だ。

千葉の場合、都内の私立高校入試に近いが、単願の他に専願がありやや複雑だ。また自己推薦入試を行う学校もある。

埼玉は特徴的だ。地元公立中学を経由しないで、受験生親子が直接に私立高校と交渉する個別相談が合格のカギを握る。「確約」という埼玉方式が存在する。個別相談会に参加して「確約カード」を受け取っておかないと、まず合格できない。

いずれにせよ、埼玉や千葉や神奈川は、私立高校が開催する入試相談や個別相談に参加しておかないと、致命的に不利になる。

これらが都内の私立高校と決定的に違う。都内の私立高校の事前相談は、地元公立中学と私立高校それぞれの担当者が密室で行い、人数調整をしながら、事前に、互いに、合否を握り合うことを指す。

次に、都立高校だが、私立高校よりはシンプルだ。事前の握りがないからだ。都立高校は公立だから、事前に握ったりすると、刑事事件になってしまう。

推薦
一般

私立高校の推薦入試と、都立高校の推薦入試は、名称はおなじ推薦だが、その中身は正反対に近いくらいに違う。

まず、都立高校の推薦入試は、一般でも合格できるような受験生のうち、より優秀な受験生によって競われる。つまり、一般より推薦の方が難易度が高い。

逆に、私立の推薦入試は、一般受験では合格できない受験生が、合格させてくれたら必ず入学することを条件に合格させてもらう入試だ。よって、私立の推薦は、一般よりはるかに難易度が低い。

次に合格を取りやすいのが併願優遇である。併願受験した第一志望校などに不合格になったら必ず入学します、ということを条件に、一般入試よりはるかに緩い基準で合格がもらえる入試だ。

高校受験勉強が辛くて乗り越えられない受験生は、私立高校の単願推薦入試に流れる。実質無試験で合格が得られるからだ。しかも、最も早く合格発表があるので、誰よりも早く受験生であることから逃れられる。

まだ悲壮感を漂わせているクラスメートが数多くいる中、涼しい顔して、原宿やお台場に出かけて、思う存分に豪遊できる。

ただし、補導されないように注意する必要がある。警察や行政のお世話になったりすると、せっかく手に入れた無試験合格が取り消される。入学を果たすまでは、大人しくしておかないと、中卒になってしまうおそれがある。高校入学後であれば高校中退の学歴が得られる可能性があるのと大違いだ。もちろん、やっと入学できても、中退(任意退学)ではなく除籍処分になれば、中卒になる。

次に、難関国立大学附属高校や、難関私立高校を実力で突破できそうにない受験生は、私立高校の併願優遇を利用することになる。これも出願さえできれば、不合格はまずない。実質無試験合格に近い。

国立大学附属高校、都立高校、私立高校、それぞれに、どの程度の難易度なのか、受験生の実力から判断して、どのあたりが狙えそうなのか、早い段階で正確に理解し、それに対応した取り組みをしなければ、ただ行き当たりばったりの高校受験にしかならない。

中学受験を、するかしないかは、中学受験の仕組みはもちろんだが、高校受験の仕組みも、しっかり理解した上で、判断すべきだろう。

併せて、中学受験における学校別の入学難易度や、高校受験における学校別の入学難易度や、中学受験や高校受験をどちらも実施しているのか片方だけなのかなども、よく調べておくべきだろう。

安易に高校受験を選択して、後で後悔しても、時計の針を戻すことはできないからだ。

高校受験には、高校受験の闘い方がある。

しかも、目指せるレベルによって、かなり違う。

そして、東京都内の高校受験は、特に都区部は、全国一般の常識が通用しない、異質な世界でもある。

 

 

三田学院

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