TOPスタッフ日記【都立中】最強チャートは何色か

2021年04月03日 土曜日 【都立中】最強チャートは何色か     ( スタッフ日記 )

最強チャートは何色か?

全国的に進学校(高校課程)では、数学補助教材は、「青チャート」と「4Step」(または「サクシード」)の組合せで配られることが多い。数学教師にとっては最善の組み合わせかもしれないが、生徒にとっては最悪の組合せとなりかねない。

進学校の「青チャート」比率は、今でも7割を超えているようだ。

「青チャート」は数学が得意で、将来難関国公立大学の理系学部に難なく合格できるような生徒であっても、最初からサクサクとは進められない。

「4Step」は、指導者つまり教師にとっては使いやすいが、将来難関国公立大学の理系学部に難なく合格できるような生徒であっても、初めて学ぶ単元においては、それなりに苦労する。

一般的な難易度の解釈は以下のようだ。

白チャート<(4Stepなどの)傍用問題集<黄チャート

でも、白チャートもそんなに優しすぎはしない。黄チャートも、青チャートも、かなりの部分は白チャートレベルの難易度の例題も扱っている。

白チャートが易しく感じられるのは、一つの例題に、複数の要素が組み合わさって入っていないことが理由だ。黄チャートや青チャートは、一つの基本例題に、いくつかの要素が入っているので、数学を基礎から学ぼうとすると、引っかかってしまう人が多くなる。

内容を詳しく吟味すると、難易度だけを尺度とすれば、実際には以下のようになるのではないだろうか。

白チャート≒(4Stepなどの)傍用問題集<黄チャート<青チャート

よって、通学校で、「青チャート」や「黄チャート」が配られていても、学校授業の進度に合わせた日々の学習では「白チャート」を活用することの方がお勧めだ。

「白チャート」の最大の特徴というか利点は、定理や公理や公式の導出を、省略せずにしっかり説明してくれていることだ。もちろん、検定教科書でも説明されてはいるが、授業で教科書を全く使わない進学校が多いから、日々の学習で、基礎基本を自学で身につけなければならないことが多い。「白チャート」を使って授業と並行して勉強すれば、これら基礎基本をしっかり身につけることができる。

傍用問題集を解く際も、「白チャート」を傍らに置いて参照しながら進めれば、心強い。分からなくて解答集の丸写しのような学習にならなくて済む。

解答集の丸写し学習は効果が低すぎる。多くは時間の無駄になる。自力で解ききれるように取り組むのがベストだ。そのためには「白チャート」を相棒にするのがよい。

進学校なら「白チャート」を難しい感じる生徒は多くはないと思うが、もし厳しいなら、さらに易しい網羅系参考書を傍らに置くとよい。

やさしい高校数学、数学1A、数学2B、数学3(学研プラス)、など

大学受験に数学が必要な人向けで、これよりも易しい高校数学の参考書を探すのは難しい。しかも、これだけでは傍用問題集のすべての問題は自力で解けないだろうから、「白チャート」も合わせて傍らに置いておくとよいだろう。

では、配布された「青チャート」はどうするべきか。

国公立理系学部志望なら、傍用問題集と「白チャート」が終わった後に、高2夏あたりから、「二次試験対策として」取り組めばよい。それまでは、チラ見する程度で十分だ。ただ、課題として解かされる場合は仕方がないので、解けるだけ解いて、解けない問題は粘り過ぎずに切り上げて、解答を写して提出するしかない。

国公立文系学部志望で二次試験に数学が必須なら、傍用問題集と「白チャート」が終わった後は、「共通テスト」の過去問題集に入りつつ、志望校の出題傾向や難易度に合った「文系向きの仕上げ教材」に進む方がよい。「青チャート」は必ずしも取り組む必要はない。

国公立文系学部志望で、数学は共通テストだけというなら、「白チャート」を完璧に仕上げて、「共通テスト」の過去問演習に入ればよい。「白チャート」を完璧に仕上げられれば、少なくとも共通テスト8割程度以上は取れるであろう。「青チャート」は取り組む必要は全くない。

ここまでは現役合格を目指す高校生向けに書いた。浪人生の場合、予備校でいろいろ勧められるであろうが、多くは授業料をガッツリ徴収するための「セールス・トーク」でしかないので、基本は現役生徒とおなじでよい。むしろ現役生の時にできなかったので浪人した訳だから、今度こそ完璧になるまで取り組みたい。

「青チャート」は「フォーカス・ゴールド」と読み替えてもらってもいい。ただ「フォーカス・ゴールド」は「青チャート」+「黄チャート」に近いので、例題や練習問題が多くなり、使い方を工夫しないと攻略に時間がかかるという難点がある。

反面、「フォーカス・ゴールド」は、理系受験生だけでなく、二次試験で数学が必要な文系受験生も相対的に使いやすい。使い方によって「青チャート」にも「黄チャート」にもなるので、「青」も「黄」も手に入れるよりお買い得だし、取り組みやすい。ただ「白」の有効性には勝てない。

「フォーカス・ゴールド」は「青」単独には互角の闘いをし、「黄」単独には圧勝し、「白」単独には完敗する。

結論として、最強チャートは「白」である。

「白」で、公式や定理の基礎基本と原理原則を完璧するのが、苦労せず、頓挫せず、失敗せず、最短時間で、数学の基礎をしっかり固める最善の策である。

ただし、使う時期を間違えてはいけない。網羅系参考書は、高3になってから始めると、時間がかかるために終わらずじまいになっれしまうリスクが高いので、学校授業と並行して進めるのが最も安全である。遅くても、高2の夏には始めたい。

ちなみに、当教室での数学の大学受験指導は、この方式である。

ここしばらく、これで大丈夫かどうか見直しを行っていた。

でも、これで大丈夫だと再確認した。

教室での実際の指導では、「白」の代わりに、「白相当」の別の教材を使っている。「白+傍用」に近い内容だが、すべての問題に解説授業をつけるので、「白+傍用」を自学するよりも、断然、理解と定着を進めやすい。

何を使っているかは、書かない。

むたみやたらと参考書を買いそろえることはお勧めしないが、「白チャート」なら、いいと思う。

ただし、繰り返すが、「白チャート」は、学校授業と並行して使うこと。

高3になってから始めるのは、時間的に仕上げられなくなる可能性が高いので、お勧めしない。

 

 

三田学院

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