TOPスタッフ日記港区に都立「新国際高校」新設の衝撃

2017年05月18日 木曜日 港区に都立「新国際高校」新設の衝撃     ( スタッフ日記 )

平成29年3月23日、東京都教育庁は「新国際高校(仮称)」の設置について報道発表した。

学校仮称:都立新国際高校
設置場所:東京都港区白金2丁目(港区立高松中の向い)
設置学科:国際教養学科(語学教養系3クラス、理数教養系3クラス)
学校特徴:帰国子女の受入
教育特徴:国際バカロレアを参考にした学習、国際機関と連携、海外機関と連携
設置時期:できるだけ早期

東京オリンピック開催を目前とし、急ピッチで開校準備が進んでいるようだ。

国際教育や外国語教育に対するニーズが高まる中、時流に沿った対応である。開校当初は6クラスのため、3年制高校としてはやや小ぶりだが、帰国子女枠の受入を別枠とするなら、標準的な規模となろう。

ここで一つ心配事というか、いつもの杞憂が始まる。

港区には普通科の都立高校が三田高校の1校しかない。この三田高校が帰国子女受入と国際的な教育プログラムを提供してきた。

新国際高校が、同じ港区の実質徒歩圏(地下鉄駅で「三田」駅の三田高に対し、一駅違いの「白金高輪」駅)に開校し、その国際教育の充実度が格段に高いとなると、三田高の存在価値が問われかねない。

既存の都立国際高の入試難易度からすると、旧第一学区の都立高校の序列は以下のようになるかもしれない。

日比谷>小山台>新国際>三田

あるいは、人気化すれば以下も十分考えられる。

日比谷>新国際>小山台>三田

あるいは、開設当初は様子見から、以下の序列もあるかもしれない。

日比谷>小山台>新国際=三田

そもそも、九段高が中高一貫化する前は次の序列であった。

日比谷>小山台>九段>三田

またもや学区4番手校への下落の気配が漂ってきた。九段が高校募集を停止したことで、その空白地帯を埋める形で、三田の入学難易度が上昇していた。

日比谷>小山台>三田

そこで、起死回生策として、三田高に中高一貫化を提唱してみたい。

旧学区にはそれぞれ1校ずつ都立もしくは区立の中高一貫校があるが、旧第一学区では千代田区立九段中等がその役割を担っている。しかし、千代田区民枠と都民枠が50:50のため、港区や品川区などの都民への割り当てが少ない。そこで、都立三田高を都内12番目の公立中高一貫とすることで、その問題を解消できる。旧第3学区には富士附中と大泉附中の2つの都立中があるので、旧第1学区に2つあっても違和感はなかろう。

都合が良いことに、三田高に隣接していた港区立小学校が、道路を挟んだ別の敷地に移転予定であり、その跡地が隣に広がることになる。その跡地を使って校舎を新改築し、中高一貫化に備えるというものだ。

しかし、黙っていられないのは、都心に立地する九段中等と白鴎附中だろう。

九段は旧第一学区の受検生の一部を失いかねない。港区民が公立中高一貫と聞いて、まず思い浮かべるのは九段である。古くからの住民ほどこの傾向が強い。港区からの受検者数も毎年30名程度になる。ただし合格できるのは3名程度だ。九段に余裕で合格できる成績上位層は私立御三家や都立小石川を受験するからだ。合格可能性の高くない受検生が多くを占めるため、合格率が低く合格者が少ない。九段の倍率が高いからではない。それは港区民でなくても、千代田区民以外の都民にとって、条件は同じだ。

続いて白鴎だ。東京府立第1女子の白鴎、東京府立第6女子の三田とプライドが激突する。白鴎も帰国子女受入など国際教育の充実を発表したばかりで方向性が重なる。もし三田が完全6年制の中等教育学校になると、港区周辺からの中学受検生を失いかねない。高校からの受験生の質は、もっと厳しくなるかもしれない。

三田VS白鴎となると、他人事ではなくなるのが富士附中だ。府立第5女子の意地に火がつきかねない。ただ立地的に完全には激突しないであろう。

いやいや勝手な空想で申し訳ない。

近年、国際教育の充実を謳い文句に生徒を集めだした私立中の人気が高まっていることもあり、選択肢が広がることは良いことだ。高校受験で新国際高校と激突するのは、まずは私立広尾学園ではないか。今後、広尾学園は「医進・サイエンス」により舵を切らなければならなくなるかもしれない。実質私大医学部受験コースだ。これなら競合しない。医者の子弟がお客様だ。ただ逆に港区の私立芝中高とは激突することになる。

品川女子(SGH指定校)や普連土は高校募集をしていないが、幼少期の志望先としては競合する可能性がある。その意味では白金台住所・高輪台駅立地の頌栄も対抗馬になるかもしれない。慶應への合格者数が多い。

ただ港区では中学受験組と高校受験組は層がほぼ完全に分かれているのも事実だ。流動的な層は実質高校受験組だ。都立中実質単願組も潜在的には実質高校受験組だ。中学受験組は完全に失敗しない限り高校受験に参入してこない。そもそも地元公立中学へ進むという選択肢を持たない。

ところで、この新国際高校は、都立国際高校をモデルとしながら、理数教養コースがあるのが特徴だ。

国際教養 → 慶應や早稲田など国際教育の充実した私大や海外大学
理数教養 → 国公立大学

それぞれへの進学を目指す指導内容になるのではないかと想像が膨らむ。

また、互いに競い合うことで既存の学校もさらに充実していくことが期待される。

新開校が待ち遠しいものだ。

塾生の気合もより高まってくれることを期待したい。

 

 

三田学院

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