TOPスタッフ日記東大ゼロの白鴎

2017年04月15日 土曜日 東大ゼロの白鴎     ( スタッフ日記 )

都立中高一貫の大学進学実績がやっと出そろった。

やっと、というのは、ホームページでの公表が遅い白鴎の数値が、今週になって確認できたからだ。

東大0
京大1
一橋2
東京工業2
筑波2
お茶の水3
千葉4

なんとも、さみしい数値だ。

旧帝国大学が、京都の1人合格だけというのは、進学校としては危機的な状況ではないか。評価できるのは、旧高等師範(筑波とお茶水)で5人合格というところぐらいだろうか。慶應や早稲田も大きく人数を減らしている。

昨年九段が東大ゼロをやってしまい、今年は白鴎がやってしまった。やってしまったという表現は、やや失礼な言い方に聞こえるかもしれないが、むしろ内部関係者の率直な感想に近いのではないだろうか。

都公立の中高一貫と一口で言っても、難易度的には大きな開きがある。

23区内に限っても、トップ校の小石川と最も入りやすい学校では、少なくとも偏差値で10程度違う。男子に限って言えば、実質10以上の開きがある。

受け止め方は人さまざまだろう。上位校でなければ行く価値がないと思う人、難易度を選べることでチャンスが広がると感じる人、などが考えられる。

受検指導の立場からすれば、素直に難易度分布が広い方がありがたい。ただ、偏差値ランク表を見てレッテルを貼るのが好きな人も少なくないから注意が必要だ。

都立中高一貫校の教員は基本的に都の教員であり、相互に教員の異動がありえる。実際に桜修館の副校長が両国の副校長に異動するということがある。

よって、どの都立中高一貫に入学しても学習・受験指導体制的には大きな違いはないと考えた方が妥当であろう。

受験するのはアナタ。どの学校に入ったとしても、しっかり受験勉強をしないと難関大学には合格できないのだ。小石川に合格しても国立大学に進めない人がいる一方で、白鴎に進んでも難関国立大学に進む人がいることで分かることだ。

話を戻すが、白鴎は付属校型を採用しているため、高校受験でも入学できる。ところが、同じタイプの武蔵や両国に比べて、高校の難易度が優れない。これは以前から気になっていたが、もう少し高校受験枠での優秀な生徒集めに注力してみてはいかがだろうかと思う。大学進学指導の活性化につながるのではないだろうか。

小石川の成功が中等教育学校のモデルになるように、付属校型の中高一貫校は都立武蔵の成功が参考になるのではないか。

一つデータ解析的に気になる点がある。今春に白鴎を卒業した生徒は第7期生である。平成22年度には都内の中高一貫校の設立が一巡しており、同学年の受検生の志望校の選択肢が大きく広がったことが進学実績低迷の原因の一つかもしれない。同じ原因として思い当たるのが九段である。

特に都心地区にある白鴎と九段は、23区内の都心以外に開校した中高一貫校や、名門高校を母体とする中高一貫(小石川・両国)に優秀な受検生を奪われた可能性が否定できない。

だとすれば、厳しい都立中入試の中では、ここしばらく穴場的存在になるかもしれない。特に難関大学の進学実績に敏感な男子受検生には、オルタナティブな志望校とはならないだろうか。

<主な都内中高一貫校の開校年度と今春卒生>
白鴎    平成17年度  第7期生
九段    平成18年度  第6期生
両国    平成18年度  第6期生
小石川  平成18年度  第6期生
桜修館  平成18年度  第6期生
武蔵    平成20年度  第4期生
富士    平成22年度  第2期生
大泉    平成22年度  第2期生
三鷹    平成22年度  第2期生
立川国際  平成22年度  第2期生
南多摩  平成22年度  第2期生

いずれにせよ来期以降の健闘を期待する。

 

 

三田学院

電 話

03-6722-66XX

受付時間

17:00〜20:00

定休日・備考

土曜・日曜・祝日・調整休講日、電話セールスお断り

住 所

〒108-0073

東京都港区三田2−14−4 三田慶応ビジデンス202号

交 通

都営三田線三田駅 徒歩5分 ・都営浅草線三田駅・ 都営大江戸線赤羽橋駅より 徒歩5分

ページトップへ