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2017年03月07日 火曜日 学力過疎地     ( スタッフ日記 )

中学受験が終わり、塾生に各小学校の小6の進路のようすを聞くと、毎年同じ思いがよぎる。

学力過疎地

学力優秀層が抜けてしまった地域の公立中学校のことだ。

千代田区、港区、中央区、渋谷区、目黒区、文京区などでは、学力優秀層は中学受験で私国立中や都立中などにこぞって抜けてしまう。その割合は千代田区の約50%を筆頭に、約40%前後になる。

中学受験しなかった層や、中学受験で失敗した層が集まる地域の公立中学校では、お手本や目標なる学力優秀層がほとんど残っていない。若者が都会に出て行ってしまった「人口過疎地」とおなじような状況だ。

学力過疎地の学力調査の結果が都の最下層とならないのは、学力下位層の比率もまた低い(少ない)からだ。つまり、下方にいびつにゆがんだ「学力分布」を形成しながら、都の平均からは大きく下方に乖離していない平均をもつ分布となっているのだ。これは中学受験で学力優秀層が抜ける前は、平均が都の平均を上回っていたことと対照的だ。

こうした地域で公立中学に通う生徒と保護者は、良くも悪くも勘違いを起こす。

・学力「中の上」クラスの人が、「上の中」くらいと思ってしまう。
・学力「中の中」クラスの人が、「上の下」くらいと思ってしまう。
・学力「中の下」クラスの人が、「中の上」くらいと思ってしまう。
・学力「下の上」クラスの人が、「中の中」くらいと思ってしまう。
・学力「下の中」クラスの人が、「中の下」くらいと思ってしまう。

学力中下位層が、さほど劣等感を持たずに、通学し授業に参加できるという点では、すばらしい環境といえるかもしれない。しかし、切磋琢磨しながら自分を磨くという点では、甘過ぎる環境と言えなくもない。

わずかに残った学力上位層はもちろん、主力として残った中下位層にも危機感が薄くなる。他の地域に比べれば、少ない努力で学年順位が上昇する。少しサボったくらいでは、大きく順位を落とすこともない。適切な競争環境が整っていない中で、中1から中3の春頃までを過ごすことになる。

事態が急変するのは、中3の6月頃だ。模擬試験を受験し始めると、強い違和感を覚えるようになる。甘い自己評価による予想偏差値と、個人成績表に表示される偏差値の乖離が大きいからだ。

・学力「中の上」(自己予想偏差値55)くらいに思っていた人が偏差値45
・学力「中の中」(自己予想偏差値50)くらいに思っていた人が偏差値40

ということが起こる。

中3の6月と言えば、私立高校の一般入試まで7ヵ月しか残されていない。

約半年でギャップの偏差値10を埋めるのは容易ではない。

当初のイメージとは違う高校を受験しなければならなくなる。

意気揚々と、名実ともに第一志望であった高校へは入学できない。

どうすれば解消するのかわからない違和感を胸に、義務教育後の人生を歩み始めることになるのだ。

 

 

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