TOPスタッフ日記なぜ数学が分からなくなるのか?

2016年10月27日 木曜日 なぜ数学が分からなくなるのか?     ( スタッフ日記 )

なぜ数学が分からなくなるのか?

東京大学大学院教育学研究科基礎学力研究開発センターの調査結果が興味深い。

小学生(5年生)の場合

􀂋概念の正誤判断課題の正答率にばらつき
→教科書レベルの概念理解ができていない
􀂋図表を利用する課題に大きな個人差
→まったく手を動かさずに解こうとして失敗する児童が多い
􀂋工夫計算課題は1問あたり10〜15秒
→計算上の工夫があまりみられない

中学生(2年生)の場合

􀂋概念の説明課題で白紙・誤りが多い
→概念を言語化できるほど理解していない
􀂋基本文章題の正答率のばらつきが大きい
→小学校時代のつまずきが解消されていない
􀂋論理判断課題は極めて成績が悪い
→論理的思考力の育成があまり行われていない
􀂋四則演算,小数・分数課題で正答率のばらつき
→小学校時代のつまずきが解消されていない

特に注目したいのは次の二つだ。

→教科書レベルの「概念理解」ができていない(小学生・中学生共通)
→「小学校時代のつまずき」が解消されていない(中学生)
→「論理的思考力」の育成があまり行われていない(中学生)


小学校で算数を学ぶ場合「算数ことば」を正確に理解できていないと正しい解答を導き出せない。ただ単純な計算問題ばかり解いていても「算数ことば」を理解できない。

中学校で数学を学ぶ場合も同じだ。「数学的概念」が理解できないまま問題を解こうとすると、どう解けばよいのかわからない。解法を検索し適用することができないのだ。

深刻なのは、中学において数学の問題に正解できない原因が、「小学校時代のつまずきが解消されていない」ことにあることだ。

生徒自身や保護者が、この問題を適切に認識できていないことが多い。このため、「テスト範囲だけ勉強すれば、すぐに成績が上がる」と思い込んでしまう。たとえ定期テストの点数が一時的に上がっても成績(学力)はさほど上がらない。出題範囲の広い模擬試験を受けると、化けの皮が剥(は)がれることになる。模擬試験での得点力が上がらないと、つまり真の学力が向上しないと、入試の本試験で得点できない。内申に頼りきったった志望校選択を余儀なくされる。しかし、内申は合否判定の30%しかないので現実的ではない。都立の推薦入試なら一定の効果が期待できるが、倍率が5倍などザラだから、結局のところ、真の学力が大切になる。

真の学力は、少なくとも数学の場合、小学校からしっかりと積み上げなければ培(つちか)われない。にもかかわらず、小学校の算数を甘く見て、実は「教科書レベルの概念理解ができていない」まま中学生になり、数学がわからなくなってしまう。

「小学校時代のつまずきが解消されていない」まま、中学数学をいくら勉強しても分かるようにならない。解けるようにならない。得点力がつかない。偏差値があがらない。

小学校6年間と中学校3年間の数学を、部活引退後の中3の夏休み前からモノにしようと思っても、苦しいだけで成果が上がらない理由がここにある。

中3の部活引退後から塾に通い始めても高い効果が期待できる人というのは、教科書内容を完璧に理解できている人だ。受験対策は学校授業とは全く違うから、受験対策のノウハウに従って指導を受けることに大きな意味と効果がある。教科書内容を理解できていない人は、理解できている人が受検対策に専念する間も、膨大な学習範囲の復習に追われることになる。時間切れのリスクと闘わなければならない。もともと勉強をサボっていた人には辛い。

どうすればよいのか?

小学校入学直後の簡単な計算問題しか扱わない頃から、算数をしっかり理解する努力を継続することだ。そして、直ぐに答えを出すことばかり考えず、直ぐに分からないと諦めず、いろいろな角度からじっくり考えることを繰り返すことだ。すでに身につけた「算数・数学」を総動員して挑むことだ。

身近で簡単な方法を紹介しよう。

算数の教科書を、何度も何度も「音読」することだ。意外に思うかもしれないが、誰にでも実践できる最も簡単な学習法なのだ。保護者の協力が得られるなら、音読内容について「質問」してみると、さらに効果が期待できる。さらに、例題や練習問題を答えを隠して解いてみることだ。これも全問正解するまで何度も挑戦してほしい。答えが載っていないなら、答え合わせは保護者がしてあげよう。塾の先生に聞いてもよいだろう。

実は中学生にも効果がある。教科書こそ最も平易でわかりやすい参考書だということに気がつくだろう。

そして、三田学院で塾生に渡している「定期テストの心得」に従い、「公式・解法ノート」と「解き直しノート」を作ればバッチリだ。しかし普通のノートに作成してはならない。「心得」と指導に従って作成しなければならない。

・教科書レベルの概念理解ができていない。
・小学校時代のつまずきが解消されていない。
・論理的思考力が育っていない。

少なくとも、上記3つのようなことには陥らないし、すでに陥っている人は解消に向かう。

なぜ数学が分からなくなるのか?≒どうすれば数学ができるようになるのか?

だということが分かるだろう。

・算数の勉強は小学校入学直後から手を抜かないこと。
・教科書内容を確実に理解すること。
・論理的思考をする訓練をすること。

⇒習い事などと算数の勉強を天秤にかけるような愚かなことはしない。
⇒少しでも不安があるなら学習塾(「計算教室」や「大手駅前塾」ではない)に相談することだ。
⇒教科書レベルの概念を、しっかりと指導できる個別型の学習塾が適切だ。
⇒ただし、直ぐに答えや解き方を教える「アルバイト講師」や「教えたがり講師」は避けよう。
⇒中学受験をしないのならば「特殊算」は必要ない。中学以降で数学として学ぶことができる。
⇒中学になってからでは手遅れになる恐れがあることを知って、適切な時期に適切な行動を取ることだ。

 

 

三田学院

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