TOPスタッフ日記【通知表】『よくできる』=優等生ではない

2016年07月25日 月曜日 【通知表】『よくできる』=優等生ではない     ( スタッフ日記 )

小学校の通知表(あゆみ)は3段階が一般的です。しかし、保護者の時代は高学年では5段階評価であった方もいらっしゃるかと思います。

親:相対評価による5段階評価・・「5」、「4」、「3」、「2」、「1」
子:絶対評価による3段階評価・・「よくできる」、「できる」、「もうすこし」

これが誤解や誤った判断を生む要因ともなっています。

小学校高学年時代に、教科のすべての評価項目が「よくできる」であった子は、中学に入ってからの5段階評価では、「4」がつけば順当です。中には「5」が取れる子もいますが、それは「よくできる」がついている子の中でも特に優秀な一部の子だけです。「3」がついても何ら不思議ではありません。

○:中学で「5」の教科は、小学時代はすべて「よくできる」であったはず。
○:中学で「4」の教科は、小学時代はすべて「よくできる」であったはず。

しかし逆は違います。

×:小学で教科毎にすべて「よくできる」なら、中学で「5」がとれる。
△:小学で教科毎にすべて「よくできる」なら、中学で「4」がとれる。
○:小学で教科毎にすべて「よくできる」なら、中学で最悪「3」がとれる。

×:すべて「よくできる」なら「5」がとれる(はず)。
×:過半が「よくできる」なら「5」がとれる(はず)。

と思い込んでいる人が少なからずいらっしゃいます。

そう思いたい気持ちはわかります。小学校では「よくできる」が最高評価であるからです。

しかし、『よくできる』=『5』ではありません。

中学校で、ある教科が『5』の生徒:1クラスに3〜5人程度
小学校で、ある教科に『よくできる』の(1つでも)ある児童:1クラスに15人〜ほぼ全員
小学校で、全教科で教科ごとに『よくできる』が半数以上の児童:1クラスに10〜15人

*ともに30人学級の場合。
*半数以上とは、評価項目が5項目は3個以上、4項目は2個以上。

小学校で『よくできる』をもらっている人数は、中学校で『5』をもらっている人数よりはるかに多いのです。

各教科に、少しずつ(1〜2個)『よくできる』があるという基準なら、クラスの半数から3分の2以上が該当しても不思議ではありません。

逆に『よくできる』が一つもない子というのは、クラスでは少数派と思っていただいてよいのです。

小学生時代に(わが子に)「模擬試験」を受けさせていると、早い段階からこの認識の誤りに気がつくことができます。

『よくできる』と『できる』がほぼ半々で、『もうすこし』がないという子でも、模擬試験(学力テスト型)を受けてみると、偏差値(中学入試偏差値ではなく学力偏差値で)が『40』に届かない(平均よりちょうど1標準偏差低い学力で、名実ともに学力低位層です)ということは珍しくありません。学力偏差値『40』未満というのは高校進学で相当苦労しかねない学力水準です。

『よくできる』がほとんどで、『できる』が少々、『もう少し』はなしという子でも、同じく偏差値が『45』程度といこともあります。学力は平均以下です。平均で『4』には程遠く、平均で『3』の後半がせいぜいです。高校受験で進学校に挑戦できる学力ではありません。都立の全日制普通科に進むのがやっとです。

しかし、中学に入るまで模擬試験を受させていないでいると、中学に入ってから成績が下がったという認識・感覚に陥ってしまう恐れがあります。小学校時代はあんなに成績が良かった(?)のに、と。

ほとんどの場合、成績は下がっていないのです。学力を正確に認識できていないだけです。

しかし、それに気がつかないまま、中学教師の学習指導が良くない、友人関係が悪い、部活仲間が良くない、中学校の学習環境が良くない、塾の学習指導が良くない、塾が合わないなどと、ありもしない原因追及が始まったりします。心理学的に「他虐的な」思考の強い方に顕著です。

すべて「よくできる」は「5」ではないのです。

すべて「よくできる」はせいぜい「4」程度です。「3」もありです。もちろん「5」が取れる生徒も少数います。

また、通知表の評価には、「関心」、「意欲」、「態度」などが大きく影響します。実学力以上に高い評価がついていた可能性もあるのです。

このため、純粋に学力を測定する模擬試験の偏差値とはかい離が大きくなるのです。

高校受験の入試は、原則、学力試験70%、内申点30%です。

模擬試験の成績をその子の実学力(入試学力)と見做すのが安全な考え方ではないでしょうか。

 

 

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